2011-01-01から1年間の記事一覧

過去へ

A:「今年も残すところ一日だね。」 B:「光陰矢の如し。」 A:「僕の時間を過去に戻すには、どうすればいい?」 B:「君の時間と僕の時間を結び付けている係数γは、√(1−β^2)の逆数だから、これがマイナスの値になればいいけど・・・。」 A:「速さ…

パラドックス

A:「双子のパラドックスって知ってる?」 B:「この国には浦島効果というのが知られているから、そのぐらいの話では誰も驚かないと思うよ。」 A:「せっかく計算方法が分かったんだから、何か練習問題はないの?」 B:「例えば、一卵性のブタの三つ子が…

時の流れ

A:「僕の時間の流れと君の時間の流れを比べると、どんなことになるの?」 B:「x方向に速さVで走ってる僕の時計が座標ゼロの位置にずっとあって、時刻t1’からt2'まで時間が経ったとすると、ローレンツ変換式から時刻t1’では、 x1=γ・V・t1’と、 …

非常識

A:「一定の速さで走っている君の座標でも僕の座標でも、真空中の光速が一定ってのは覚えやすくていいんだけど、変換式に辿り着くまでは、そう簡単ではないね。」 B:「確かに。ガリレイ変換は常識に合ってるから受け入れやすいけど、ローレンツ変換となる…

分母

A:「Vが光速cの時はどうなるの?」 B:「βが1だから、分母の√(1−β^2)はゼロとなる。これがクセモノなんだ。ゼロで割ると無限大がでてくるからね。光速の壁は、√内の式で決まるってのが問題の根源だ。」 A:「βが1より大きいときには、√内が負にな…

正体

A:「今日はβが何かをつきとめる日だ。」 B:「変換式を覚えてる?」 A:「忘れた。」 B:「そう思って、ここに用意してあるよ(*1)」 A:「さっそく、使ってみよう。」 B:「君が一定の速さvで走っているとする。」 A:「x=v・tだ。」 B:…

遭遇

A:「混合座標同士の変換を求めればいいことは分かったけど。」 B:「ここで、X’=a・X、T’=b・Tとおいてみると、a・b=1を満たす必要があるから、aとbは逆数の関係にある。混合座標を元の座標に戻せば、x’、t’とx、tとの関係式が出てくる…

混合

A:「光速一定の原理を満たす変換をどうやって探したらいい?」 B:「普通のやり方では、変換マトリックスTijの成分を未知数として、(x’)^2−(c・t')^2=x^2−(c・t)^2 に代入して、係数同士の関係を求めるんだ。やってみようか?」 A:「メン…

ピタゴラス

A:「ところで、これまで1次元の前提でやってきたけど、3次元の場合、光の式はどうなるの?」 B:「x,y,zの位置成分があるから、君の座標では、x^2+y^2+z^2=(c・t)^2 となる。」 A:「ピタゴラスの定理か。発見者は違う人らしいけど。」 …

停止

A:「結局、ガリレイ変換モドキで全ての説明がつけられるの?」 B:「もし、そうなら、アインシュタインは歴史上の人物でなくなってるはずだ。」 A:「昨日考えたんだけど、V=cとして、x’=x−c・tで、光の式x=c・tを代入すると、x’=0となる…

ずれ

A:「さて、今回はモヤモヤの解消といってみよう。」 B:「何かいい考えでも浮かんだ?」 A:「ゼンゼン。」 B:「では、ちょっと視点を変えて、位置と時間のずらしをやってみよう。 僕の位置x’を君の位置xからx0だけずらすと、x’=x+x0だ。」 A…

矛盾

A:「だいぶ、問題の核心に近づいてきたみたい。 僕の座標で真空中の光の式は、x=c・tとなる。」 B:「僕の場合、x’=c・t’になるってのが、光速一定の原理だ。」 A:「では、さっそくガリレイ変換を試してみると、 x’/t’=(x±V・t)/t=…

落下

A:「走ってる君から僕をみると、速さVで後ろに遠ざかっていくけど、 僕から君をみると、速さVで前に進んでいく。でも力の方程式の形は変らないってことだ。」 B:「それを何ていうの?」 A:「ガリレオの相対性原理って呼んでるらしい。 座標変換はガ…

マトリクス

A:「力が運動量の変化だとすると、僕から見た力と君から見た力はどう違うの?」 B:「君の座標をx、tとして、僕のをx’、t’とすると、変換マトリクスTを使って、 x'i=Tij*xjとなる。」 A:「ちょっとマテください。マトリクスとか、iとかjとか…

エネルギーとお金

A:「ところで、エネルギーは力とどう関係あるの?」 B:「君があるものに力を加えてその方向に動かすと、力と距離に比例した仕事をしたことになるんだ。このときエネルギーが変化するのさ。」 A:「僕が自分自身を動かすにはエネルギーが必要なのは分か…

真空

A:「真空は何もない筈なのに、どうやって光を伝えるの?」 B:「音は空中でも水中でも、何かの中では伝わっていけるけど、 何もなくなったら伝わらなくなる。 何もないとしたら、光だって伝わるかどうか怪しくなるよ。 真空中でも光の遊び場があると考え…

A:「僕が電車に乗って走っていて、君が地上にいるとすると、光の速さに違いは見つかるの?」 B:「その電車ってのは、いまいち夢がない気がするんだけど。 君は銀河鉄道に乗って一定の速さで止まらずに走り続けるとしよう。」 A:「どこまで行くの?」 …

運動量

A:「力が質量と加速度の積だとすると、質量と速度の積は何?」 B:「それは運動量と呼んでる。」 A:「僕が2倍の速度で走れば、2倍の運動量ってことか。」 B:「同じ速度でも、君が僕を背負って走れば運動量は大きくなる。」 A:「僕の場合、目に見…

A:「ことわざに「色男、金と力は無かりけり」っていうのがあるけど、力っていったい何?」 B:「ある物に、その速度の変化を与える力は、質量に加速度を掛けることで計算できるってのが、リンゴの好きなニュートンの理論だよ。」 A:「質量が大きいほど…

加速

A:「このボールを押し続けていくとどうなるの?」 B:「ボールの速度がだんだん大きくなっていく。速度が時間につれて変化していく割合を加速度っていうんだ。」 A:「ボールを押す力が一定なら、同じ割合で速度が大きくなっていくってこと? 逆にボール…

質量

A:「ところで、質量ってのは何?」 B:「やっぱり、そう来たか。 慣性質量はものを押したときに、押しにくいっていう目安の量だよ。」 A:「質量が大きいものは、動かし難くて立ち上がりが悪いってことは分かるけど、重さとどう違うの?」 B:「重さは…

慣性

A:「車は急に止まれない。調子にのったときの僕はどうにも止まらない。」 B:「そういうのを、慣性の法則っていうらしい。」 A:「慣性って、どういうこと?」 B:「質量があると、惰性でダラダラするってことだよ。」 A:「コムズカシイ言葉を使って…

見方

A:「僕が電車の中で座っていると、ある速さで君から遠ざかっていくよね。」 B:「君が電車から降りたとき、もしも君の時計の時刻が僕の時計の時刻と違ってたら、スリリングだよ。」 A:「多分、そんなことは通常、起こりそうもない。」 B:「電車の中に…

世界線

A:「僕の人生を1本の線で表すと、生まれたときから始まって、ずっと延びてゆくね。」 B:「君の線をx(t)で表して、僕のをx’(t)とすると、 君と僕がぶつかったとき、「x(t)=x’(t)」になって 2本の線が1点でまわじわることになる。」 …

目印

A:「電車に乗っていれば、1本道を走っていけるよ。」 B:「その場合、君の位置をどうやって計る? 君の体には大きさがあるから。」 A:「その昔、犯罪者は額に「犬」という字の刺青をされたそうだ。 僕と君の額にマジックで点をつければ、目印になる。…

次元

A:「直交する3本の軸を想像することはできるよ。」 B:「僕らは3次元人間だから、4次元の残り1軸がどこにあるのか、見当も付かない。」 A:「例えば、風船の中に君を閉じ込めたら?」 B:「当然、その外には出られない。」 A:「もし、君が4次元…

A:「僕は鳥じゃないから、上下にはほとんど動けない。地面にへばりついてるムシみたいなもんだ。」 B:「その地面に2本の直交する軸を設定できるよ。」 A:「X軸とかY軸とか呼んでるやつかな。」 B:「それらを座標軸といって、君の居場所を表すこと…

速度

A:「速度ってのは、走った距離を時間で割れば計算できるよね。」 B:「平均速度は移動距離ΔLを移動時間Δtで割れば求めることができるよ。」 A:「あー、そのΔなんとかってやつが曲者なんだ。」 B:「Δtを小さくしていくと瞬時速度が求まるって話だ。…

はじまり

A:「バカの壁っていう本はあるけど、光速の壁は破られるのかな?」 B:「巷では、ミュー・ニュートリノの速さが光速を超えたって騒いでるよ。」 A:「でも、光速よりもてんで遅い僕らには、いまいちピンと来ないね。」 B:「タイムマシンは人類の夢のま…