ずれ

Ａ：「さて、今回はモヤモヤの解消といってみよう。」
Ｂ：「何かいい考えでも浮かんだ？」
Ａ：「ゼンゼン。」
Ｂ：「では、ちょっと視点を変えて、位置と時間のずらしをやってみよう。
　　　僕の位置ｘ’を君の位置ｘからｘ0だけずらすと、ｘ’＝ｘ＋ｘ0だ。」
Ａ：「君の時間ｔ’を僕の時間ｔからｔ0だけずらすと、ｔ’＝ｔ＋ｔ0だよ。」
Ｂ：「位置と時間をずらしただけでは、力の方程式の形は変らない。」
Ａ：「そりゃ、そうだ。加速度は何も変化しないから。」
Ｂ：「でも、光の場合、そうはいかなくて、
　　　ｘとｔの比率と、ｘ0とｔ0の比率との積は、ある条件式（＊１）を満たす必要がある。計算してみようか？」
Ａ：「それは結構です。ｘ＝ｃ・ｔの式とどういう関係があるの？」
Ｂ：「その条件式の中で、ｘ0＝±Ｖ・ｔとおくと、
　　ｔ0＝（±Ｖ・ｘ）／（ｃ^2）となって、
　　ｘ’＝ｘ±Ｖ・ｔと、　ｔ’＝ｔ±（Ｖ・ｘ）／（ｃ^2）
が出てくる。これって何かに似てない？」
Ａ：「ガリレイ変換モドキ。
　　　では、さっそく試してみると、
　　　（・・・中略（＊２）・・・）
　　　結果は、ｘ’／ｔ’＝ｃだ。」
Ｂ：「ほら、うまくいったでしょう。」
Ａ：「できすぎって感じ。何か裏でもあるの？」
Ｂ：「変換マトリクスで、Ｔ21＝±Ｖ／（ｃ^2）にしたのがミソなんだ。」
Ａ：「よく、そんなの見つけたね。」
Ｂ：「実は、後知恵なんだけど。」
Ａ：「なーんだ。」
Ｂ：「こんな話ばかりしていると、かなり世間ずれしてくるよ。」

（＊１）　（ｘ／ｔ）・（ｘ0／ｔ0）＝ｃ^2

（＊２）　（ｘ’／ｔ’）＝（ｘ±Ｖ・ｔ）／（ｔ±（Ｖ・ｘ）／（ｃ^2））
　　　　　　　　　　　　＝（（ｘ／ｔ）±Ｖ）／（１±（Ｖ・ｘ／ｔ）／（ｃ^2））
　　　　　　　　　　　　＝（ｃ±Ｖ）／（（ｃ±Ｖ）／ｃ）＝ｃ