真空

A:「真空は何もない筈なのに、どうやって光を伝えるの?」
B:「音は空中でも水中でも、何かの中では伝わっていけるけど、
   何もなくなったら伝わらなくなる。
   何もないとしたら、光だって伝わるかどうか怪しくなるよ。
   真空中でも光の遊び場があると考える方が無難かも知れない。」
A:「結局、真空って何?」
B:「これがまた簡単なようで、よく分からない代物さ。」
A:「僕の彼女への想いも、それを伝える何かがあると信じてもいいのかな?」
B:「それは、コトバを声や文字に変えないと、ナカナカ伝わらないと思うんだけど、コトバにするときの仕方を間違えると反作用をくらうことになるんだ。」
A:「なるほど。
   ところで、どうして真空中の光速なの?」
B:「この条件がついてないと、水中でもガラス中でも光速が同じってことになってしまうからだよ。」
A:「それで何かマズイの?」
B:「いつもの君の話と同じ程度の信憑性になるってことさ。」