見方

A:「僕が電車の中で座っていると、ある速さで君から遠ざかっていくよね。」
B:「君が電車から降りたとき、もしも君の時計の時刻が僕の時計の時刻と違ってたら、スリリングだよ。」
A:「多分、そんなことは通常、起こりそうもない。」
B:「電車の中にいる君から見れば、僕が君から遠ざかっていくように見える。」
A:「相対性っていうのは、そうこと?」
B:「止まってるように見えるのは、見る人がそれと同じ速度で動いてるってことだ。」
A:「今、悪魔がやって来て、僕らのいる宇宙を一定の速度で動かしたらどうなるの?」
B:「宇宙全体の速度が変われば、僕らは地震のときのように力を感じるから直ぐに分かるよ。」
A:「でも、悪魔が最初から一定の速度で宇宙を動かしていたら、僕らは分からない。」
B:「宇宙の外の景色を見ない限り、僕らが走っていることを知る方法はないらしいよ。」