時の流れ

A:「僕の時間の流れと君の時間の流れを比べると、どんなことになるの?」
B:「x方向に速さVで走ってる僕の時計が座標ゼロの位置にずっとあって、時刻t1’からt2'まで時間が経ったとすると、ローレンツ変換式から時刻t1’では、
 x1=γ・V・t1’と、 t1=γ・t1' となる。」
A:「時刻t2'では、
 x2=γ・V・t2’と、 t2=γ・t2' だ。僕から見ると君の時計は、x2/t2=Vの速さで遠ざかっていくよ。」
B:「時間の式から、t2−t1=γ・(t2'−t1')が出る。
   係数γは1を√(1−β^2)で割ったものだから、β<1とすると、γは1より大きい。」
A:「僕の時間の流れは、君のよりも速いってことか。」
B:「x1とx2の違う位置で時刻を比べてるけど、君の座標では場所に関係なく時間の流れは同じとしている。」
A:「僕だけ歳をとって損な気分。君から見ると、僕は−Vの速度で走ってるんだから、僕の時間の流れの方が君よりもゆっくりになる筈だよ。」
B:「その計算は君への宿題ということにしよう。僕はこれから用事があるから。」
A:「君は転校してきたときからずっと、謎めいた生徒だったよ、今でも。」
B:「実は、ここだけの話だけど、僕はアインシュタインと同じ年に生まれたんだ。」
A:「要するに、宇宙船でこの地球までやってきた正義の味方って訳ね。」
B:「・・・。」