A:「僕は鳥じゃないから、上下にはほとんど動けない。地面にへばりついてるムシみたいなもんだ。」
B:「その地面に2本の直交する軸を設定できるよ。」
A:「X軸とかY軸とか呼んでるやつかな。」
B:「それらを座標軸といって、君の居場所を表すことができるんだ。」
A:「仮に、僕が2本の軸の交わった位置からX軸上に1メートルのところにいれば、(1,0)となり、Y軸上に1メートルのところにいれば、(0,1)ってところか。」
B:「もう1つの軸があって時間軸と呼んでいる。」
A:「時間軸は地面にひくことはできないね。」
B:「直交する4本の軸をアタマの中に描くことはまず無理だよ。」
A:「いずれにしても、軸なんてのは目には見えやしないってことでは同じようなものさ。僕の心の中にも善の軸と悪の軸があって、2つの軸が交わってるんだ。いつも善の軸の上にいるって訳にはいかないんだよ、これが。」
B:「いま、君の心はどこら辺にいるの?」