2012-01-01から1年間の記事一覧

消失

A:「この世はとかく不確実だ。彼女とうまくいったり、いかなかったりで。」 B:「今日はなんか、元気ないね。」 A:「人生イロイロあるから。」 B:「じゃ、気分転換に計算でもしてみる?」 A:「どーいう神経してるの?」 B:「人生には誤差がつきも…

壁の向こう側

A:「群速度vgが光速cよりも小さい場合、位相速度vpは光速cを超えることになるけど、問題ない?」 B:「粒子の速度で観測できるのは群速度vgで、これが光速cを超えないのは前にもやったよね。」 A:「E>p・cだから。要は、位相速度vp=E/p…

関係

A:「これまでのところをまとめると、β=V/c=tanh(Θ)だから、相対速度Vの合成式はtanh(Θ)の加算式に従うってことだ(*1)。」 B:「群速度vgと位相速度vpの関係は、vg・vp=c^2だったね。」 A:「つまり、β^2=V^2/(vg・vp)=(tanh(Θ…

推理

A:「この間の人は、どうやって相対速度の式を出せたのかな?」 B:「僕の推理では、君のノートに書いてあった式(*1)を見たからだと思うよ。」 A:「たったそれだけで?」 B:「ΘをΘ1+Θ2とおいてβ3を出すには、tanh(Θ1+Θ2)をtanh(Θ1)とtanh(Θ2…

相対速度

G:「ねぇ、君たち。いつも端っこの方で何を話してるの?」 A:「いま取り込み中なんだ。」 B:「君の知り合い?」 A:「違うよ。」 G:「ちょっと、そのノート見せてよ。」 A:「これは見せられないんだ。」 G:「エロい写真でも貼ってあるの?」 A…

群速度

A:「4元運動量ベクトルから何か出てこないか、考えてみたんだ。」 B:「最近、君はマジメに取り組んでるね。」 A:「試験に出ないことには興味が湧いて来るのさ。」 B:「それで、何か見つかった?」 A:「E=±√((p・c)^2+(m・c^2)^2)を…

無駄足

A:「どこかで計算違いをしたのかな?」 B:「計算は合ってると思うよ。」 A:「じゃ、どうして?」 B:「計算結果が常に真実って訳じゃないさ。」 例えば、e0をx0軸の方向ベクトルとして、 e1,e2,e3のどれにも直交するとしよう。この場合、どうな…

反転

A:「では、次へいってみよう。」 B:「その前に、前回の式で何か気づいたことはない?」 A:「別に。」 B:「君のノートには、XとTを入れ替えた式が書いてあったけど。」 A:「それは、いつもX'=exp(θ)・Xと、T'=exp(-θ)・Tで計算してるけど、…

説明

A:「ちょっと待った。たまには説明させてくれてもいいんじゃない?」 B:「それじゃ、どうぞ。」 A:「結果はノートのここ(*1)に書いてあるけど、やや複雑な感じ。 ベクトルの表示はこっち(*2)。成分ごとに並べると、添え字以外は同じ形をしてる…

ノート

A:「今日はしっかりと宿題をやって来たから自信あるよ。」 B:「あっ、そう。そのノートを見せて。計算の跡がよく分かるね。」 A:「そうでしょうとも。」 B:「じゃ、次は4元運動量ベクトルにいってみよう。」(*1) x'0・e0 =cosh(θ)・(x0…

内積

A:「T・Xを地道に計算した結果は、xμ・xμだったよ。」 B:「どのように計算したの?」 A:「普通に掛け算しただけ。」 B:「ベクトルで内積の計算をやるには、こうすればいい(*1)。」 A:「いずれにしても振り出しに戻ったってことだよ。」 B…

単位ベクトル

A:「位置と時間の4元ベクトルをxμで表すと、 xμ・xμ=−(x0)^2+(x1)^2+(x2)^2+(x3)^2だ。 x0=c・tとしている。」 B:「僕の座標ではx'μ・x'μで、ダッシュがつくだけ。 これが変換で変らないと仮定すると、ローレンツ変換式が出せ…

修正

A:「ニュートンの力の方程式は、アインシュタインによって大分修正されたって聞いてるけど。」 B:「内容の点ではそうなんだけど、式の形はそうでもない。 力Fは、運動量Pの時間変化に等しいこと(*1)に変わりないから。」 A:「でも、4元ベクトル…

実験

A:「きのう図書館で読んだ本に、科学の発展には2つのことが必要だと書いてあったんだ。」 B:「1つ目は実験でしょう?」 A:「実験をちゃんとやる能力だよ。」 B:「2つ目は?」 A:「実験結果を報告するのには正直さが必要だって。」 B:「今回の…

ニュートリノ

A:「例えば、ニュートリノに質量があるとして、m・/√(1−β^2)でβが1に近づくと、とてつもなく重くなる。だから光速cを超えられない。」 B:「そういう説明の他に、この前のE・v=p・c^2を使えるよ。」 A:「v=(p/E)・c^2で、質量mが…

パンドラの箱

A:「今日は、4元運動量ベクトルの4番目の成分について調べてきたよ。」 B:「式でかくと、m・c・dt/dτだよ。」 A:「dt/dτは、1/√(1−β^2)のことだから、m・c/√(1−β^2)から何が出るかってことだね。」 B:「M=m・/√(1−β^2…

粒子

A:「量子の運動量とエネルギーのローレンツ変換式は分かったけど、粒子の場合はまだだよ。」 B:「粒子の質量mに速度vを掛けたものが運動量だ。」 A:「粒子力学を使って計算してみると、運動量ベクトルpは(m・vx,m・vy,m・vz)だから、速度v…

不確定

A:「交換関係には、どんな意味があるの?」 B:「難しくいうと、物理量の同時測定可能性に関係がある。」 A:「簡単にいうと?」 B:「交換関係がゼロなら同時に測れるけど、ゼロでないとそうは問屋が卸さないってことだよ。」 A:「どっちにしても分…

符号

A:「位置演算子Xはi∂kとおけば、Xφ=xφが出て、 時間演算子Tは−i∂ωとおけば、Tφ=tφが出てくる。」 B:「Pφ=kφとEφ=ωφを使うと、[P,X]と[E,T]が計算できるね。」 A:「実際やってみると、 [P,X]=−i [E,T]=i 前の時とは符号…

比例係数

A:「交換関係のローレンツ変換はどうなるのかな?」 B:「iと−iは定数だから、ローレンツ変換で変らないなずだ。そこで、 君の座標で[P,X]=aiと[E,T]=biとおいて変換してみよう。aとbは定数だよ。」 A:「a=−bじゃないの?」 B:「そ…

交換関係

A:「前回は、運動量の演算子Pをi∂xとして、エネルギーの演算子Eを−i∂tとしたけど、位置と時間の演算子はまだ出て来てない。」 B:「位置の演算子をXとおいて、Xφ=x・φとする。」 A:「時間の演算子をTとおいて、Tφ=t・φとする。」 B:「量子…

複素数

A:「まだ量子のことはよく分かってないけど、波の関数φとはどういう関係があるの?」 B:「量子力学の場合、φは実数ではなくて複素数なんだ。」 A:「複素数は(実数)+i・(実数)のこと?」 B:「そう。関数φは状態を表す関数で振幅と位相がある。 …

量子

A:「kとωのローレンツ変換式が判ったところで、つぎは何が飛び出すのかな?」 B:「量子だよ。」 A:「それって粒子の親戚か何か?」 B:「粒子でも波でもないから、量子って名前がついてる。 ここでアインシュタインが教えてくれたE=h・νを使う。…

数学

A:「ときどき思うんだけど、物理のコトバはどうしてこうも数学的なのかな?」 B:「例えば、君がこれまで見たこともない化け物に遭遇したとして、誰かに伝えたいとしよう。」 A:「設定としては化け物よりも宇宙人の方がいいよ。」 B:「では、宇宙人と…

同形

A:「昨日は眠いのを我慢して、∂Xと∂Tの変換式を使ってkとωの変換式を計算してみたんだ。 βのことも調べてみたさ。」 B:「位置xとc・tの場合と同じ形になった?」 A:「φ(δ')をx’で偏微分すると、k’が出て、 φ(δ)をxで偏微分すると、kが出て…

双曲

A:「今日は、この間の続きだよね。」 B:「何か気合が入ってるみたいだな。」 A:「∂T'∂X'を∂Xと∂Tで表すには、変換式同士の掛け算を展開すればいいから(*1)、 いちおう計算できたよ。 ∂T'∂X'φ(δ')=∂T∂Xφ(δ)にならないといけないから、∂XXと∂TT…

方針

A:「さてと。これから∂T'∂X'φ(δ')=∂T∂Xφ(δ)を使って鳩でも出そうか?」 B:「まずは、∂Xと∂Tの変換式を求めよう。」 A:「変換係数をSijとすれば、こう書ける(*1)。」 B:「方針としては変換係数Sijを求めてから、∂Xや∂Tを元の形に戻せば、∂…

ベクトル

A:「ちょっと気になることがあるんだ。 波数kの向きは、x軸方向としてるの?」 B:「3つの成分kx,ky,kzによって向きが決まる。例えば、全部同じ値なら、xyz直交座標で(1,1,1)の方向ってことだよ。kの向きをx軸方向に選ぶと、その正方…

演算子

A:「前回の波動方程式は、φ,xx =(1/c)^2・φ,ttという形だったけど、次はどうするの?」 B:「偏微分の演算子∂を使った形にも慣れておいた方がいいから、xでの偏微分∂/∂xを∂xとして、tでの偏微分∂/∂tを∂tとする。波動方程式は(∂xx)φ=(1/…

偏微分

A:「関数φ(k・x−ω・t)の()内から変数を外に追い出すには、どうすればいいのかな?」 B:「ここで偏微分が役に立つのさ。難しそうな用語だけど怖れることはないよ。」 A:「∂/∂xとかが出てくると、なんだか仰々しい感じがするんだよね。」 B:「…