関係

A:「これまでのところをまとめると、β=V/c=tanh(Θ)だから、相対速度Vの合成式はtanh(Θ)の加算式に従うってことだ(*1)。」
B:「群速度vgと位相速度vpの関係は、vg・vp=c^2だったね。」
A:「つまり、β^2=V^2/(vg・vp)=(tanh(Θ))^2が得られる。
   ラピディティΘの値は−∞から+∞の範囲で、tanh(Θ)の絶対値は1を超えない(*2)から、V^2≦vg・vpの関係が出てくる。」
B:「相対速度Vの大きさは光速cを超えないことが分かる。」
A:「Vの合成式(*3)で、V1=vg、V2=Vとおくと、こうなる(*4)。
   vpの合成式が出る。」
B:「V1=vp、V2=Vとおけば、同じようにしてvgの合成式が出せる。
   vgでもvpでも相対速度として観測できるなら、光速cを超えないという結論になる。」
A:「ここまで到達する速さが光速cを超えられたらよかったんだけどなぁ。」
B:「僕が君のことをずっと観察できてたんだから、それは無理でしょう。」

(*1)
 tanh(Θ1+Θ2)=[tanh(Θ1)+tanh(Θ2)]/[1+tanh(Θ1)・tanh(Θ2)]

 βi=Vi/c=tanh(Θi) i=1or2or3

 V3=(V1+V2)/(1+V1・V2/c^2)

(*2)
tanh(Θ)=(exp(Θ)−exp(−Θ))/(exp(Θ)+exp(−Θ))
     =(1−exp(−2・Θ))/(1+exp(−2・Θ))
     =(exp(2・Θ)−1)/(exp(2・Θ)+1)

(*3)
 V3=(vg・vp)・(V1+V2)/(vg・vp+V1・V2)

(*4)
 V3=vg・(vg・vp+vp・V)/(vg・vp+vg・V)
   =(c^2+vp・V)/(vp+V)

 c^2/V3=vp'=(vp+V)/(1+vp・V/c^2) ∵V3=vg'