ベクトル

A:「ちょっと気になることがあるんだ。
   波数kの向きは、x軸方向としてるの?」
B:「3つの成分kx,ky,kzによって向きが決まる。例えば、全部同じ値なら、xyz直交座標で(1,1,1)の方向ってことだよ。kの向きをx軸方向に選ぶと、その正方向に進む波の位相をk・x−ω・tで表すことができる。」
A:「ωはどう?」
B:「角周波数には大きさがあるだけ。だから、(kx,ky,kz,i(ω/c))を4成分のベクトルとしてまとめたものを4元ベクトルと呼んでる。iは虚数だよ。」
A:「じゃ、(x,y,z,i(c・t))も4元ベクトルってことだ。」
B:「この2つを成分ごとに掛け合わせて合算したものをベクトルの内積といって、
   (kx)・x+(ky)・y+(kz)・z−(ω/c)(c・t)
   となる。虚数iの2乗からマイナスの符号が出るんだ。」
A:「3元ベクトルk=(kx,ky,kz)に平行な方向を改めてx軸に設定すると、位相k・x−ω・tが出る訳か。」
B:「そういうことだよ。3次元から4次元に移るには、iが必要になる。」
A:「I see。」
B:「形式的に分かった気になるだけさ。」