群速度

A:「4元運動量ベクトルから何か出てこないか、考えてみたんだ。」
B:「最近、君はマジメに取り組んでるね。」
A:「試験に出ないことには興味が湧いて来るのさ。」
B:「それで、何か見つかった?」
A:「E=±√((p・c)^2+(m・c^2)^2)をpで微分すると、
   dE/dp=±2・p・c^2/(2・E)が出る。
   E・v=p・c^2を使うと、dE/dp=±vとなる。」
B:「波には群速度vgというのがあって、これを位相速度vpと区別している。」
A:「群速度vgと位相速度vpにはどんな関係があるの?」
B:「位相速度はvp=ω/k=E/pだから、
      E・vg=p・c^2をpで割ると、
      vp・vg=c^2になる。」
A:「vpの合成式は
   v'p=(vp+V)/(1+(vp・V)/c^2)だから、
   これにvp=c^2/vgを入れて計算するとこうなる(*1)」
B:「僕の座標でもv'p・v'g=c^2となる。
   位相速度と群速度は反比例するのに、速度合成式の方は同じ形だ!」
A:「単なる偶然?」
B:「では、相対速度Vの合成式がどうなるかやってみよう。」

(*1)
 v'p=(c^2/vg+V)/(1+V/vg)
 v'g=c^2/v'p
   =c^2・(1+V/vg)/(c^2/vg+V)
   =c^2・(vg+V)/(c^2+vg・V)
=(vg+V)/(1+(vg・V)/c^2)