偏微分

A:「関数φ(k・x−ω・t)の()内から変数を外に追い出すには、どうすればいいのかな?」
B:「ここで偏微分が役に立つのさ。難しそうな用語だけど怖れることはないよ。」
A:「∂/∂xとかが出てくると、なんだか仰々しい感じがするんだよね。」
B:「では、その記号は止めて、関数に、,xとかを付けるのはどう? 
   位相をδ=k・x−ωtで表して、φ,x(δ)だよ。」
A:「δ,xはxの係数kだから、φ,x(δ)=k・φ,δ(δ)になる。」
B:「φ,δ(δ)は、普通の微分でdφ(δ)/dδのこと。もう1回やれば、
   φ,xx =k^2・φ,δδになる。」
A:「tでやってみると、φ,t=−ω・φ,δになって、もう1回では、
   φ,tt=(−ω)^2・φ,δδになる。」
B:「前回の式、(k)^2−(ω/c)^2=0を思い出してみて。」
A:「φ,xx −(1/c)^2・φ,tt=[(k)^2−(ω/c)^2]・φ,δδ=0だ。
   要は、φ,xx =(1/c)^2・φ,ttなのだよ。」
B:「波動方程式と呼んでるよ。」
A:「カッコいい名前を付けたがるものだな。」
B:「偏微分をやるときには、着目する変数以外は定数とみなしてムシすればいいだけ。
   ,xや,tのローレンツ変換式(*1)が分かれば、波動方程式の形が変換で変らないことを確かめられるんだ。やってみる?」
A:「そのうちね。」
B:「微分アレルギーへの減感作法の一種と考えればいいさ。」

(*1)φ,x'=(x,x')・φ,x+(t,x')・φ,t
     φ,t'=(x,t')・φ,x+(t,t')・φ,t

x,x'=t,t'=γ
    x,t'=γ・β・c
    t,x'=γ・β/c