シャッタ

M:「君がホントーに来るとは思わなかった。」
A:「約束は守りますよ。」
M:「では、話を進めることにしよう。
   実験箱の中には、カエルでもハチでも電子でもいいが、何かが飛び回っているとする。」
A:「光じゃないんですか?」
M:「おお、そうだった。アインシュタインの箱には光が入っている。」
A:「出口は無いんですか?」
M:「そう、穴が1つ空いておるんだが、その穴は通常、シャッタで塞がれている。
  但し、シャッタ自体が軽くて、スムーズに開閉できるものとする。」
A:「シャッタが開くと穴から光が飛び出してくるって仕掛けでしょ。」
M:「シャッタが勝手に開くことはないから、光がシャッタの端に当たって、その反動で動くと、その隙間から光が出られる可能性がある。箱をイメージできたかな?」
A:「なんとなく。」
M:「シャッタが動く方向をx1方向として、質量をm、速さをvとすると、運動量の変化はどうなるかね。」
A:「Δ(mv)です。」
M:「シャッタが一瞬開く時間をΔtとして、その隙間をΔx1とすると、Δx1=v・Δtがでる。
   ところで、君は光のエネルギーEと運動量Pとの関係を、知っておるハズだ。」
A:「E=|P|・c」
M:「シャッタが開いた瞬間に光が飛び出して来る方向が、ほとんどx1方向であったとする。この場合、|P|はP1としていい。
 運動量の保存則から、Δ(mv)=ΔP1が出せる。 少々計算するとこうなる(*1)。」


(*1)
 Δ(mv)・Δx1
=ΔP1・v・Δt 
=(v/c)・ΔE・Δt

Δ(mv)・Δx1 / ΔE・Δt =v/c <1