解釈

A:「量子論では、波動関数が確率の振幅を表すことになってるみたいだけど、いまいち釈然としないな。」
F:「コペンハーゲン解釈というのがあって、大多数はそれを盲信してるらしい。」
A:「他にはないの?」
F:「例えば、ボームの量子力学では、波動関数で場が記述されるんだけど、それ自身は確率性をもたない。」
A:「場って何?」
F:「量子の挙動を決める数学的な方便で、位置と時刻で指定される時空点ごとに数値をもってる。例えば、波動関数演算子とみなすと、真空に作用して場の数値が決まる。」
A:「その場合の真空の定義はどうなってるの?」
F:「波動関数演算子として作用する真空について、人間は何も知らないんだ。」
A:「全く無知ってこと?」
F:「その無知から確率性が発生するので、観測の際には統計処理が必要になる。」
A:「確率計算で期待値を計算することしかできないってわけか。」
F:「いまのところ、この解釈を否定することはできていないみたいだね。」