M:「君の場合は、どうなんだ。」
A:「僕ですか? 別に。」
M:「どこの馬の骨かも知らない者が行う測定によって、君の大切な愛酒タインの物理的実在に危機が及んでも平気なのか?」
A:「あなたが馬の骨だったとは初めて知りました。それに、僕は波動関数の位相速度が光速を超えていても平気ですから。」
M:「あぁ、なんということだ!」
A:「p0=E/c,x0=c・tとして、僕の座標系での”Δp・Δx−Δp0・Δx0”が、あなたの座標系での”Δp'・Δx'−Δp'0・Δx'0”に等しくなることは、
ローレンツ変換から分かります。
  時間測定が正確なら、Δx0=Δx'0=0とおけるので、Δp・Δx=Δp'・Δx'となります。」
M:「この間やったように、|Δp1|・|Δx1|=|Δp2|・|Δx2|の場合、|Δp2・Δx2|=|Δp’2・Δx’2|から、|Δp1|・|Δx1|=|Δp’2|・|Δx'2|となる。

A:「僕の方では、|Δp2|・|Δx2|=|Δp’1|・|Δx'1|で、 不確定性関係からゼロでない値になります。
   もし、 不確定性関係が成り立たないのなら、Δp2またはΔx2がゼロか、両方がゼロです。
   同時刻に同じ場所で行う2つの物理量の測定と、同時刻にそれらを別の場所で行う測定とは違う話でしょ。」
M:「要するに、測定のやり方は、愛酒タインの物理的実在に影響しないと言いたいワケか。」
A:「愛酒タインの物理的実在は、理論がどうであれ、僕が今ここに存在する世界では疑いの余地はありませんからね。」