生来

A:「視線方向の星の速さをvrとして、横方向(角速度方向)の速さをvθとすると、
   角運動量が一定の場合、この式が出せる(*1)。」
G:「星Bの質量mが変化しないことも条件よ。」
A:「星Aと星Bとの距離が大きくなると、vθ(t)はどんどん小さくなる。ってことは、vr(t)の方が目立ってくる。」
G:「h(t)=h0とすれば、vθ(t)はvr(t)に反比例するから、後退速度が大きいとvθ(t)=x(t)・Ω(t)が小さくなる。つまり、角速度Ω(t)はx(t)の2乗で小さくなるってこと。」
A:「僕が星Aにいて、君が星Bにいたとすると、だんだん離れていくってのは、どんなもんだろうか。」
G:「お互いの気持ちが離れているのに、距離だけが近づくよりはマシよ。
  星には固有速度というのがあって、君の星に近づいてくるモノズキなのもあるわ。」
A:「なるほど。君には、あの赤い星(アンタレス蠍座)をあげるよ。」
G:「いらないわ、あんな年とったの。」
A:「・・・。」
G:「ところで、君はどうして星のことになると興味が湧いてくるの?」
A:「そういう星のモトに生まれついたらしい。」

(*1)
 m・vθ(t)・x(t)=m・vθ(tn)・x(tn)
 
  vθ(t)/vθ(tn)=x(tn)/x(t)
  vθ(t)・vr(t)/h(t)=vθ(tn)・vr(tn)/h(tn)