ドップラー
A:「h=A/γのときには、dh/dt=0から、h(t)=h0
v(t)/x(t)=h0 を解くと x0=x(t0)として、x(t)=x0・exp (h0・t)が出る。」
G:「宇宙は劇的に膨れ上がっていくことになるわ。
ところで、星の速度はどうやって測定するのか知ってる?」
A:「ドップラー効果を使うんだ。
運動量P1とP0のローレンツ変換式で、アインシュタイン・ドブロイ関係式からP1=k1,P0=ω/cを使えば、こうなる(*1)。」
G:「真空中での光の波数ベクトルkの大きさ|k|=P0だから、kがx1軸となす角度をθとすると、
|k|cosθ=k1になる。 これを使って2つの式(*2)がでるわね。」
A:「β>0でθ=πのときはこうで(*3)、
β<0でθ=πのときはこうなる(*4)。縦ドップラー効果といわれる現象だ。
βが1よりずっと小さい場合、波長の変化は(λ1-λ’1)/λ’1≒±|β|となる。
+|β|なら波長が長くなって赤方偏移で、
-|β|なら波長が短くなって青方偏移というワケ。」
G:「天文学科に入ってから、少しは真面目にやってるようね。
θ=π/2のときには、ω=ω’/γで、横ドップラー効果よ。
k’1の方はこうなるわ(*5)。」
A:「βが1よりずっと小さいと、ω≒ω’・(1−β^2/2)となる。
視線方向に対して横方向の光の角周波数が変化してみえるってのは、ちょっと意外だ。」
(*1)
k’1=γ・(k1-β・(ω/c))
ω’/c=γ・((ω/c)-β・k1)
(*2)
ω=ω’・(√(1−β^2))/(1−β・cosθ)
k1=k’1・(√(1−β^2))/(1−β/cosθ)
(*3)
ω=ω’・√((1−β)/(1+β))
k1=k’1・√((1−β)/(1+β))
(*4)
ω=ω’・√((1+|β|)/(1-|β|))
k1=k’1・√((1+|β|)/(1-|β|))
(*5)
k’1=−γ・β・√(k2^2+k3^2)