飛躍

A:「行列からいきなりブラとケットじゃ、飛躍しすぎじゃないの?」
G:「行列がお好きなら、
  exp(iσ1θ)=(cosθ)I+(sinθ)iσ1
  を使えばいいわ。」
A:「え! expの()内が行列?」
G:「 exp(λ(θ))とおいて、1回微分して、1回積分する方法はどう?(*1)」
A:「いや、地道にマクローリン展開するさ。」
G:「exp(iσ1θ)の定義を使って、こうやってもいいわね(*2)。
  二項定理を知ってるでしょ。NCn=N!/n!/(N−n)!は、N→∞で1/n!だから。」
A:「nが2mのとき、(σ1)^2m=Iで、
     2m+1のとき、、(σ1)^(2m+1)=σ1になるからか。」
G:「ケットは列ベクトルで、|Ψ’>=exp(iσ1θ)|Ψ>
   同様にブラの方は、<Ψ’|=<Ψ|exp(−iσ1θ)となる。」
A:「ということは、ローレンツ変換はexp(σ1θ)ってこと?」
G:「こういうことね(*3)。
  2つをまとめると、exp(σ1(θ1+iθ2))で、
  Θ=θ1+iθ2とすれば、簡単にexp(σ1Θ)と書ける。
  因みに、私たちの時代には、量子力学を中学校で習うの。」
A:「! ってことは、ローレンツ変換は小学生でも知ってるのか。」
G:「人類の未来は頼もしいいってことよ。」

(*1)
exp(λ(θ))=(cosθ)I+(isinθ)σ1
 (d λ(θ)/dθ)・exp(λ(θ))=(−sinθ)I+(icosθ)σ1
=iσ1((cosθ)I+(isinθ)σ1)
 d λ(θ)/dθ = iσ1 
∴ λ(θ)=iσ1θ+C (C=0 ∵λ(0)=0  0:ゼロ行列)

(*2)
 exp(iσ1θ)=lim (1+iσ1θ/N)^N ( N→∞)
        =lim ΣNCn (iσ1θ)^n
=Σ(iσ1θ)^n/ n!
        =Σ[(iσ1θ)^2m/(2m)!+(iσ1θ)^(2m+1)/(2m+1)!]
(*3)
exp(σ1θ) =Σ(σ1θ)^n/ n!
        =Σ[ I(θ)^2m/(2m)!+σ1(θ)^(2m+1)/(2m+1)!]