位相因子

A:「新ネタを手にいれたんだ。」
G:「どんな?」
A:「ローレンツ変換の兄弟分の変換さ。exp(θ)でθの代わりにiθで置き換えると、この式が出る(*1)。」
G:「cosh(iθ)=cosθ、sinh(iθ)=isinθだからでしょ。」
A:「これまで、expの()内は実数だけだと思ってたから、iθの可能性に気付かなかったんだ。」
G:「実数Ψ1とΨ2を使って書くと、変換式はこうなるわ(*2)。
   |Ψ>=Ψ1+iΨ2とおくと、さらに簡単に書ける(*3)。」
A:「 |>は何?」
G:「ディラックが発明したケットよ。ブラの方は<Ψ|=Ψ1−iΨ2で、変換式はこうなるわね(*4)。
   両方でブラケット。」
A:「 <Ψ’|Ψ’>=<Ψ|Ψ> が成り立つって訳か。」
G:「exp(±iθ)は位相因子と呼んでるものよ。」
A:「その位相何とかってのは、どういうもの?」
G:「複素平面での回転操作を表すのよ。」
A:「まだ、そこまで頭の方が回転しないんだよな、これが。」

(*1)
 Lo(iθ)=((cosθ, isinθ), (isinθ, cosθ) )
      = (cosθ)I+(isinθ)σ1

(*2)
 (Ψ’1, iΨ’2)~t =Lo(iθ) (Ψ1, iΨ2)~t 

(*3)
 |Ψ’>=exp(iθ)|Ψ>
 
(*4)
 <Ψ’|=<Ψ| exp(-iθ)