面積

A:「こんにちは。久しぶりだね。」
C:「君はあの娘と付き合ってるの?」
A:「あの娘?」
C:「ときどき彼女と会ってるのを見かけたから。」
A:「付き合ってるというより、付き合わされてるって感じかな。
 ところで、君は計算が得意みたいだけど、将来の道は決めた?」
C:「あぁ、家業を継ぐんだ。」
A:「家業? 数学者じゃないの?」
C:「数学者で計算能力の高い人はあまりいないと思うよ。
   君はどうなの?」
A:「まだ決めてない。悩み多き日々のど真ん中。」
C:「君はあの謎の転校生の影響を大分受けたみたいだから、まだ毒が消えてないのかな。」
A:「彼の影響でピタゴラスイッチが入ったみたい。
   その紙に書いてある式は何?」
C:「これは、三平方の定理、別名ピタゴラスの定理さ。
  この式(*1)で、□(z)は一辺の長さがzの正方形の面積。
  Δ(x,y)は2辺の長さがそれぞれxとyで、斜辺の長さがzの直角三角形の面積。
  □(x-y)は一辺の長さがx−yの正方形の面積。
  4つの直角三角形と1つの正方形を組み合わせると、一回り大きい正方形ができ上がる。」
A:「要するに、z^2=4・(x・y/2)+(x−y)^2が証明される訳だ。
  僕が知ってるのは、こっちの式(*2)だよ。」
C:「この場合には、(x+y)^2=4・(x・y/2)+z^2の証明となる。」
A:「どちらも、z^2=x^2+y^2がでる。」
C:「3次元の場合には、x^2+y^2+z^2=W^2(*3)だね。」

(*1)
 □(z)=4・Δ(x,y)+□(x-y)

(*2)
 □(x+y)=4・Δ(x,y)+□(z)

(*3)
 x^2+y^2=r^2
 r^2+z^2=W^2