数学者

A:「ポアンカレのことを調べてみたんだ。特殊相対性理論の構築に関与した数学者だってことが判った。」
G:「ポアンカレの場合、光速一定の原理を使わずに相対性原理だけを仮定してローレンツ変換を導いたらしいわ。1905年6月5日の講演では、ローレンツが提出した式を修正している。」
A:「アインシュタインは、2日後にその内容を知ったらしい。1905年6月30日に論文を投稿している。この間、彼は何を考えてたんだろうか。」
G:「ポアンカレローレンツ短縮には外からの圧力が必要だとしていて、これが見かけ上の効果だとは言ってないわ。」
A:「アインシュタインは、光が真空中を一定の速度で伝わることを原理に挙げて、相対性原理と組み合わせると、絶対静止空間やエーテルなんてものは要らなくなるとしている。」
G:「ポアンカレローレンツ変換式を導き出したとしても、その物理的内容をどこまで理解してたかが問題ね。」
A:「そこのところを確かめるには、いつものタイムスリップで。」
G:「そういうこと。」