基本

G:「何やってるの?」
A:「手と頭を使ってるんだ。僕の基本。」
G:「また計算か。せっかく私がこれからの話を盛り上げようとしてるのに、水を差そうって訳ね。」
A:「地道なのがいいんだ。このローレンツ変換の式を行列で表すとこうなるんだ(*1)。
  Xは僕の座標で、X’は君の座標。()~tは転置記号。tanhθ=β(=V/c)としている。
  Loは2行2列の変換行列さ。」
G:「よくもまぁ、飽きないこと。
   単位行列をIとして、ρ1を使うとこうなるわね(*2)。」
A:「ρ1を両辺に掛けるとこうだ(*3)。ρ1を2回掛けるとIになるから。」
G:「逆変換するには、この関係式(*4)を使えばいいわ。」
A:「なるほど。わりと簡単にできるね(*5)。」
G:「Loの逆行列は、こんな感じ(*6)。要するにθの符号が変わるだけね。」
A:「君は何処でこの計算を習得したの?」
G:「わたしの基本は行動よ。考えた人に直接訊きにいくのが一番。」
A:「え! 誰に?」
G:「後で教えてあげるわ。」

(*1)
 (X')~t =Lo (X)~t

  X’=(x0’, x1’)
  X = (x0 , x1 )

Lo=[(coshθ,-sinhθ),
(-sinhθ,coshθ) ]

(*2)
  I=[(1,0)
(0,1)]
ρ1=[(0,1)
(1,0)]

X’=( (coshθ)I−(sinhθ)ρ1 )X

(*3)
ρ1 X’=( (coshθ)ρ1−(sinhθ)I )X

(*4)
   ( (coshθ)ρ1+(sinhθ)I )( (coshθ)ρ1−(sinhθ)I )
   =( (coshθ)^2−(sinhθ)^2 ) I
   = I

(*5)
   ( (coshθ)ρ1+(sinhθ)I )ρ1 X’= X
   ( (coshθ)I +(sinhθ)ρ1) X’= X

(*6)
(Lo)inv=(1/K)[(coshθ,sinhθ),
         (sinhθ,coshθ) ]

K=(coshθ)^2−(sinhθ)^2 =1