計算
A:「昨日は、光の屈折を計算してみたよ。
僕の座標でxz平面を境界にして、y軸の上側から光が入射して、y軸の下側へ透過する場合を想定する。
境界面の上側の範囲で屈折率をn1、下側の範囲で屈折率をn2として、
y軸に対してなす入射角をΘ1、屈折角をΘ2とする。
入射光の速さをv1(=c/n1)、屈折光の速さをv2(=c/n2)としている。」
B:「光の速さは、ベクトル表示でどうなるかな?」
A:「入射光は(v1・sinΘ1,v1・cosΘ1)で、
屈折光は(v2・sinΘ2,v2・cosΘ2)だよ。」
B:「x軸方向に速さVで走っている僕から見ると、入射光の速さはv1'で、屈折光の速さはv2'だ。
α1=(v1/c)・sinΘ1、α2=(v2/c)・sinΘ2とおいて計算できる。」
A:「結果(*1)は、少し複雑になるけど、v1'の大きさは各成分の2乗を足して平方根を計算すればいい。」
B:「v2’はv1'の式で1を2に置き換えればいいから楽だね。」
sinΘ1'とはsinΘ2'の比はどうなったの?」
A:「チカラづくでなんとか出したんだよ(*2)。」
B:「計算力がずいぶん上がったね。
君の彼女にも教えてあげたいよ。」
A:「僕の世界と彼女の世界とでは屈折率がかなり違うようだから、
境界での屈折によって紆余曲折がしょっちゅう起こるみたいだ。」
B:「その種の問題を解くためには、数学は殆ど無力に等しい。」
(*1)i=1 or 2
vi'・sinΘi’=c・(αi−β)/(1−αi・β)
vi'・cosΘi’=vi・cosΘi・√(1−β^2)/(1−αi・β)
(*2)sinΘ1'/sinΘ2'
=√{1+(1−β^2)・[(v2・cosΘ2)/(v2・sinΘ2−V)]^2}/
√{1+(1−β^2)・[(v1・cosΘ1)/(v1・sinΘ1−V)]^2}