屈折率

A:「ずっと真空中では息がつまりそうだから、屈折率nの物質中を走る光の速さを計算してみたよ。状況設定としては、川で流されている君が水中からライトで僕に助けを求めてるといったところ。」
B:「もう少しマシなシナリオは思い付かなかったの?」
A:「君からみた光の速さは、真空中の光速cをnで割ったものとする。」
B:「速度比で計算すると、α’=1/nとなるよ。」
A:「これを僕からみると、α=(1/n+β)/(1+β/n)になる。
   屈折率は1/αで計算できるから、(n+β)/(1+n・β)がでてくる。」
B:「βが1よりずっと小さい場合はどう?」
A:「αの式で分母を展開すると、
   α=(1/n+β)・(1−β/n+・・・)
   となって、βの2次以上をムシすると、
    ≒1/n+β・(1−1/n^2)になる。」
B:「これにcをかけたものは、フィゾーの実験式と呼ばれている。」
A:「近似でなくてβ=1の場合、僕からみた屈折率は1になるから、物質なんて無いに等しい。」
B:「君の体を造っている物質が暴走しないように、光速の壁には制限速度cの交通標識がちゃんと貼ってあるのさ。」