変形

A:「y軸で計算してみると、速度の変換式が違ってくるね。
   僕がy軸方向に物を投げると、式はy=vy・tとなる。」
B:「こちらからみると、y’=vy’・t’だよ。」
A:「y=y’だから、vy’=vy・(t/t’)。結果(*1)はこの通りで、z軸でも同じこと。」
B:「速度比で表したらどう?」
A:「vx/c=α、vy/c=δ、vz/c=εとおくと、こうなる(*2)。」
B:「僕の座標系ではα’,δ',ε'の2乗を足し合わせると(v’/c)の2乗になるから、v’=cとすると、球の方程式になるよ。」
A:「さっきの式を使うと、これ(*3)になるんだ。」
B:「楕円体の方程式だ。中心座標は(β,0,0)で、y軸方向とz軸方向には、√(1−β^2)で変形している。」
A:「このあいだ君がくれた光りの玉から出る光をみたときに気付いたんだ。」
B:「数式の変形は大変だったんじゃない?」
A:「おかげさまで計算力が上がったような気がする。」
B:「目が楕円になってる!」
A:「ほんとに?(あれ、いなくなった。)」

(*1)vy'=vy・√(1−β^2)/(1−(vx/c)・β)
(*2)δ’(or ε’)=δ(or ε)・√(1−β^2)/(1−α・β)
(*3)A・(α−β)^2 +B・(δ^2+ε^2)=1
     A=1/(1−α・β)^2
     B=A・(1−β^2)