サングラス
M:「原子爆弾といえば、その実験を最初に肉眼で見たのはリチャード・ファインマンだ。」
A:「サングラスを忘れたんですか?」
M:「いゃ、そうではないらしい。
彼はワタシの遠縁で、かなり風変りな人物だったらしい。
この本はもう要らんから、君に渡しておこう(*1)。」
A:「いいんですか?」
M:「君は、演算子を使った量子力学を知ってるだろうから。
[Pμ, Xν]=i・η_μνという式は、確かシュレーディンガーが書いておった。
交換関係を基本として演算子を用いる方法はディラック自身が開発した方法だが、
ディラックからファインマンが受け継いだもう1つの方法は、経路積分法と呼ばれている。
この方法では、積分変数が古典軌道から揺らいで変化するときの作用を全部足し合わせることで遷移振幅を計算できる。交換関係みたいな天下り条件を使わずに済むので、直観的な方法だ。」
A:「計算は簡単になるんですか?」
M:「君の期待を裏切るようで悪いが、計算はかえって面倒になる。」
A:「・・・。」
M:「ジックリ取り組めば、面白くなるハズだ。
では健闘を祈る!」
(*1)
ファインマン
経路積分と量子力学
(QUANTUM MECHANICS AND PATH INTEGRALS)
- 作者: R.P.ファインマン,A.R.ヒッブス,Richard P. Feynman,Albert R. Hibbs,北原和夫
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1995/05
- メディア: 単行本
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