変換則

A:(今日は少し時間があるから、図書館にでも行ってみるか。)
(15分経過)
C:「君も、ここの利用者?」
A:「ときどき。」
C:「何を勉強してるのかな?」
A:「相変わらず、Xμ・σμだよ。」
C:「君は回転の演算子を知ってる?」
A:「exp(iσjθ)でしょ。j=1,2,3。」
C:「じゃ、演算子の変換則は?」
A:「変換則って?」
C:「演算子Aを変換子(演算子)Sで変えると、A’=(S)A(S*)になるってこと。」
A:「A|x>=a|x>から計算すればいいんじゃないの(*1)。」
C:「S*は、Sの複素共役。S(S*)=(S*)S=Iで、Iは恒等変換だ。」
A:「S=exp(iσjθ)の場合には、S*=exp(-iσjθ)だから、S(S*)=(S*)S=σ0になる。」
C:「A=Xμσμとして、回転しても時間は変らないから、
  X0=0とおいて、XjσjをS=exp(iσ1θ)で変換すれば、X1軸回りに回転させたときのA’が計算できる(*2)。」
A:「XjはSと交換するの?」
C:「そう。X1σ1は回転しても変わらないけど、
   X2σ2とX3σ3は、θの2倍分変わってしまうんだ(*3)。」
  大きさが1の単位方向ベクトルの各成分をnk(k=1,2,3)とすると、この方向の軸回りにθだけ回転させるには、exp(iθ・nk・σk) を使えばいい。」
A:「僕の頭も2倍回転するといいんだけどね。」


(*1)
 SA(S*)S|x>=aS|x>
A’=(S)A(S*)  
|x’>=S|x>とおくと、
 A’|x’>=a|x’>

(*2)
 A’=S(Xjσj)(S*)
 =Xj(Sσj(S*))

 Sσ1(S*)=σ1
 Sσ2(S*)=σ2(S*)^2
 Sσ3(S*)=σ3(S*)^2

(*3)
X2σ2(S*)^2=X2σ2(σ0cos2θ−iσ1sin2θ)=X2(σ2cos2θ−σ3sin2θ)
X3σ3(S*)^2=X3σ3(σ0cos2θ−iσ1sin2θ)=X3(σ3cos2θ+σ2sin2θ)