転校

A:「あいつの態度はいったい何なんだ。僕らがテロリストの予備軍だと決めつけて原子爆弾の作り方か何かを研究してると思い込んでるみたいだったよ。」
B:「噂によると、ある学生が何者かによって放射性物質で被曝したらしい。
   当日僕らは、この場所にいてアリバイがないから、事件に関係してると疑われているのかも知れない。」
A:「まったくのとばっちりだ。ノートまで没収されてしまった。せっかく計算したのに。」
B:「それなら問題ないさ。これまで君がやったことはその頭の中に入っているよ。大事なのは計算結果ではなく、考え方であって君はもう身に着いてる。」
A:「まぁ、君がいることだし。」
B:「残念ながら、僕は来週転校することになってるから。」
A:「そんな! 僕だけが尋問攻めにあうなんて心細いよ。」
B:「大丈夫。君ひとりでも自信をもって十分説明できるさ。
   それにバカの壁は近づいてみれば、案外蜃気楼のようなものだってことを忘れずに。」