観測

A:「あなたは、何ものなんですか?」
P:「ただの詩人です。」
A:「どんな詩を書いてるんですか?」
P:「科学が万能であると信じている人々に警鐘を鳴らすための詩です。
   例えば貴方は、実在するものは観測できると思いますか。」
A:「ある程度は、そうですが、観測には限界があるので、必ずしも全てを観測できるとは思いませんが。」
P:「つまり、観測限界内で、実在するものが観測できるということですね。
  実在するものが観測できることが仮に正しいとすると、
  観測できないものは、存在しないことになります。
  しかし、あなたはそうではないと言っています。
A:「観測できないものは、存在することも、存在しないことも判らないでしょう。」
P:「観測できないものが存在する可能性もあれば、存在しない可能性もあるということです。」
A:「結局、何がいいたいんですか?」
P:「私は何かを主張するために来たのではなく、貴方を観測するために来たのです。」